私も子育て中の親で、子どもの置き去りについては度々指摘させていただいていたので、この件について考えてみました。
まず目的は、子どもの置き去りや虐待、ネグレクトを防止することにあるということで、この点については問題が無いように思えます。
大きな問題とされたのは、目的を達成するための手段。
以下が、県議会で放置=虐待とされた例ですが、子育て経験がある方は、少なくともいくつかに該当するでしょう。
私はほとんどに該当しますが、当然子どもは愛していますし、子育てもそれなりにはしているつもりです。
そう考えると、やはり改正案の内容が実態と矛盾しているのではないか、手段が目的を達成するために必要な範囲を超えているのではないか、疑問を感じる方も多かったと思います。
放置、虐待に該当するとされた例
・子どもを車の中に置き去りにすること
・子どもたちだけの自宅での留守番
・未成年の高校生に小学生などのきょうだいを預けて買い物に出
かける行為
・子どもだけ家に残してゴミ捨てに行く行為
・子どもたちだけで公園などで遊ぶこと
・子どもたちだけでの登下校
・子どもにおつかいさせる行為
それではどのような手段なら現実的なのか考えると、やはり線引きが難しいです。
年齢については、感覚的にはせいぜい未就学児以下を対象にするとして、行為はより限定するとしても限定の仕方が難しい。
上記の中で事故のニュースが多いのは車の置き去りですが、「車に30分以上放置しない」と限定しようとしても、夏場の車は数分でも熱中症のリスクがあります。じゃあ「車の置き去りは一切ダメ」とすると、「いやいや、コンビニですぐ終わる用事を済ますのに、毎回子ども連れて行かないといけないの?」ということになってしまいます。
違った視点で見てみると
小学校1年生と思われる子どもが一人で買い物に行ってるのを警察が見つけたら、その子について行って親の元まで行くのだろうか。
家の目の前の公園で、年長の子どもが一人で遊ぶことが放置といえるのか。
以上を踏まえると、
条例でそもそも定める必要性があるのか議論し、
条例で定めるのであれば、親へのメッセージ的な要素を強めて、年齢と行為をより制限したうえでせいぜい努力義務とするのが現実的なのでは
ないか、と考えました。
百の家庭があれば百の家庭の事情があることを理解して、
現実的な議論を望む次第です。